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琥珀色の物語

日曜の朝、目を覚まして1階へ降りる
競馬新聞を読み耽る親父の傍らにはいつも

ネスカフェとクリープそして砂糖

俺もお気に入りの分量で自分のを入れる
大半はクリープと砂糖だったような・・・・


平日、少年達にとって給食の時間は戦いだ
「おかわり」のため最速完食を目指し
いただきま(す)の合図と共に
コンマ何秒を賭けて牛乳を一気飲みする

暗黙のルール、挑戦者の証

他者を蹴落とす妨害「変顔」は効果覿面
ツボって噴出した奴の顛末は悲惨極まりない

そんな時間、いとも簡単に静寂をもたらしたのが

ミルメーク

「牛乳嫌いなの」と悲しそうにするから
いつも代わりに飲んであげたあの子も
その日だけは美味しそうに飲んでたっけ・・・・


テストやら受験やら強制的夜更かしは苦痛だ
それをほんの少しだけネスカフェが忘れさせてくれた
クリープと砂糖の量は大分少なくなってたはず・・・・


「ブラックでいい?」
瞬間の迷いを悟られる前に「おう!」
当たり前を装う

苦い=大人の味
それを教えてくれたあの人は、今幸せにしているだろうか・・・・


ランチタイム、上司と喫茶店で過ごす時間は貴重だった
尊敬とは部下だから「しなければならない」のでは無い

あまりに大きな存在の前では「そうせずにはいられない」のだ

本物の男の格好良さと
作り置きの不味さだけはこのころ判るようになった・・・・


苦い方が偉いのか?濃ゆい方が偉いのか?
好きなのに「本当の味を知らない」
漠然とした悩みを長らく抱えていた

「真ん中の味がするやつが飲みたいんですけど?」
そんな変な問いかけに明解な答えを出してくれたのが

koffe

変に書くと胡散臭くなるので止めておく

濃ゆいのが好きなら黙ってマンデリンを飲んでみてほしい
これまでの概念に一撃をくれるはず・・・・


その豆で朝の一杯を注ぎながら想う
自分の子供が飲む最初の珈琲がこれとは、なんとも贅沢な話じゃないかと・・・・

琥珀色の物語_a0117275_2024239.jpg

  by sentirlessaisons | 2010-10-01 20:15 | 漢のまかない

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